広い閲覧席をほとんど独占することができました。

takuzemi2010-02-27

 研究費で買ったDVDの領収書に収入印紙が貼ってないというメールを図書館の司書のHさんからいただきました。早めに処置をした方が良さそうです。大学図書館まで出掛けることにしました。雨もだいぶ小降りになってきています。
 大学図書館に着いて必要な領収書を受け取りました。地下の閲覧席に移動して、しばらく読書をして過ごしました。広い閲覧席をほとんど独占することができました。
 読んでいるのは自宅から持ってきたアラゴンの『冒頭の一句』です。ノートを取りながら、少しずつ読み進めています。途中で色々と調べごとがしたくなります。ドイツ文学の書架に移動して、ヘルダーリン関係の本を斜め読みしたりもしました。雨の土曜日とあって、学生諸君の姿もまばらです。図書館をほとんど独占できるような感じでした。残念ながら今日は正午で閉館となってしまいます。荷物をまとめて帰り支度に取り掛かりました。
 一冊だけ本を借りて帰ることにしました。若草書房の「MURAKAMI HARUKI STUDY BOOKS 7」の山根由美恵著『村上春樹<物語>の認識システム』です。帰りの電車の中でさっそく読み始めました。なかなか面白そうな論考が並んでいて楽しめそうです。領収書に収入印紙を貼ってもらうために浦和のCORSOに向いました。雨が上がって、風が少々出てきたようです。

ゼミ一期生のA君に出くわして驚きました。

 JR浦和駅の改札を出て、伊勢丹に向かって歩き始めました。横断歩道の手前で多文化理解コースのゼミ一期生のA君に出くわして驚きました。ライターの締切り仕事が早めに終わったので、今日はプラスアルファの別の仕事を入れていると言います。CORSOで用件を済ませてから、再びA君と合流しました。ちょうど昼休みを取れる時間帯だと言います。伊勢丹8階の食堂街に二人で上がりました。天麩羅の「つな八」で昼食を取ることにしました。A君がまだ仕事があるので、ビールは飲めません。昼のランチをいただきました。A君の近況やら私の近況やらをやり取りして楽しい時間を過ごすことができました。1時ごろにはA君と別れて帰宅しました。
 午後は山根由美恵著『村上春樹<物語>の認識システム』を少々読み進めました。村上さん自身のテクストにも当たってみたくなり、『風の歌を聴け』も読み直しました。ずいぶん昔に読んだ本なので、細部をほとんど忘れています。初めて読むような気分で読むことができました。余り整合的でも論理的でもない配列の40の断章が、「背後にどんな物語が隠れているのか読み取ってごらん」と読者に挑戦してくるような構成です。「ハートフィールド、再び……」(あとがきにかえて)という最後の文章が曲者です。『風の歌を聴け』の語り手である「僕」を作家である「村上春樹」と重ねて読むようにという誘いが作者自身から提出されているからです。ここにも鈴村和成氏の言う「偽の自伝」としての一面が読み取れるように思われます。