武蔵野線の車中では漱石の『こころ』を再読しました。

takuzemi2011-07-09

 昨日は研究室に何人もの学生諸君が遊びに来てくれた特異日みたいな一日でした。5限のゼミが始まる前の空き時間にやって来たS君は三谷幸喜さんの舞台「ベッジ・パードン」を観てきたと言います。夏目漱石がロンドン留学中に出会った小間使いベッジ・パードンとの交流を描く大変に面白い作品だとのことです。S君がベッジ役の深津絵里の演技を絶賛するので、私もこの舞台を観てみたくなってしまいました。(朝は数日前の朝日の夕刊のコラム「三谷幸喜のありふれた生活」に「動く動く、深津絵里」という記事があったのを思い出して、切り抜いておきました。)
 10時過ぎには荷物を詰めたバックパックを背負って大学に移動しました。武蔵野線の車中では漱石の『こころ』を再読しました。色とりどりのマーカーでマーキングをほどこしてあります。細かな文字で書き込みもしてあります。私にとっては「手垢で汚れた大切な一冊」です。読み返すたびに新たな発見がある一冊でもあります。
 午前中に1時間ほど集中して仕事と取り組みました。なかなか捗らない面倒な仕事です。トンネルの向こう側が見えてこないのですね。一休さんの文句ではありませんが「アワテナイ、アワテナイ。ヒトヤスミ、ヒトヤスミ」で行くしかありません。仕事を切り上げて、研究室で一休みしていたら、日文4年のK君が先週の「文学」のハンドアウトを取りに来ました。公務員試験のために休んだとのことでした。

みな少しずつ暮らし方が変わっていくんだなと妙な感慨に耽りました。

 3時間ほど根を詰めて仕事に没入しました。頭がふらふらしてきたので、今日はここまでと決めました。iPad2を持って学生食堂の二階まで遊びに行くことにしました。土曜日の4時過ぎとあって、学生諸君の姿はまったくありません。節電中なのですが、窓際のカウンター席に風が来る場所があります。そこに陣取って少々考え事をまとめる作業を済ませました。GTDの手法をクラウドサービスで提供するNozbeというサイトがあります。そこに「気に掛かること」の数項目を書き込んで、同期も取っておきました。
 今日はゼミの1期生、2期生の諸君との飲み会が予定されています。集合場所は上野駅の不忍口です。北越谷から区間準急に乗って北千住に出ました。日比谷線に乗り換えて地下鉄の上野に向かうという路線です。地下鉄からJRの不忍口まではかなりの距離を歩かなければなりません。何とも蒸し暑くてたまりません。
 上野駅の改札の前でS君、A君、Kさん、Aさんと合流しました。幹事役のA君が予約してある「わすれん棒 上野店」へと向かいました。お店は歓楽街の奥の方にありました。何とも賑やかな一角です。お店の二階は古民家風の落ち着いた雰囲気になっています。2期生のTさんもちょっと遅れて加わってくれました。
 焼きとりの盛り合わせ、サラダ、厚焼き玉子、釜飯などをいただきながらお互いの近況を語り合いました。S君もA君も仕事の関係で両国の方で暮らし始めたとのことです。みな少しずつ暮らし方が変わっていくんだなと妙な感慨に耽りました。私の方も最近、生活に色々の変化がありました。今夜は若い卒業生の皆さんに色々と打ち明け話もしてしまいました。9時過ぎまで飲み会を楽しんで、広小路で手を振って若者たちと別れました。(皆さん、また会いましょう!)

「わすれん棒 上野店」http://r.gnavi.co.jp/e247801/