新久千映さんのコミック『ワカコ酒』(徳間書店)を息子から借りて読んでみました。

takuzemi2013-12-27

 2013年も余すところ4日となりました。そんなことを考えていると気分が落ち着かないので、落ち穂拾い的な作業を片付けることにしました。フランス語の試験問題をワードに載せてプリントアウトしたり、能率手帳(NOLTY)のカレンダーに1月の予定を細かく記入したりの作業です。「落ち穂拾い的」と言いましたが、意外と本質的な作業ではないかと思い返しました。これを片付けないと新しい年が迎えられないというのはどうやら本当のことのようです。
 新久千映さんのコミック『ワカコ酒』(徳間書店)を息子から借りて読んでみました。コミックの腰巻きにはこんな惹句が書き込まれています。「そして今夜もまた思う。大人、たのしい。読めば一杯ひっかけたくなる。26才・飲兵衛女子の幸せひとり酒♪」と言うのですね。特別裏メニューの「女子会」や「居酒屋新幹線」はあるものの、主人公は一人で飲み屋に立ち寄って、ほとんど他の客たちと会話を交わすこともなく、黙々と自分が注文した料理を平らげ、なおかつ料理に合った生ビール、日本酒、焼酎などを頂くという設定なのですね。料理の選び方も絶妙で一部を紹介すれば、あさりの酒蒸し、なす田楽、はもの湯引き、なめろう、チーズ天、鶏皮ポン酢と並んでいるのですから、酒好きにはとてもたまりません。主人公のワカコさんが料理を味わいながら上げる吐息の音が「ぷしゅーる」というシュールな音なのですね。ここには美味しい料理を頂きながら、お酒でそれを洗い清めるというプロセスが見事なまでに描ききられていて秀逸です。新久さんのコミックの中では料理の煮えたぎる音「ぐつぐつ」などのオノマトペも多用されていて、読者を本当にその料理を食べているような錯覚に誘ってくれているようです。

今日は西美の常設展の写真を私のデジタルカメラに収めてくるのも目的の一つです。

 昼前には駅前の須原屋書店に足を運びました。文芸書などを物色したのですが、なかなか買いたいと思う本が見当たりません。方向転換をして、新書の棚を見てみたら面白そうな本が2冊ほど見つかりました。中野京子著『名画で読み解くブルボン王朝12の物語』(光文社新書)と布施英利著『色彩がわかれば絵画がわかる』(光文社新書)の2冊です。いずれも美術系の本で私の西洋美術史を学ぶ旅もまだまだ続きそうな感じです。
 国立西洋美術館が明日からしばらく正月休みに入る予定だとiPad 2で調べていたら分かりました。今日はまだ開館しているはずなので、無料で入れる常設展に行ってみることにしました。中野さんの『名画で読み解くブルボン王朝12の物語』をユニクロの手提げに放り込みました。今日は西美の常設展の写真を私のデジタルカメラに収めてくるのも目的の一つです。あらかじめフラッシュが発光しないように設定して武蔵浦和駅発の快速電車に乗り込みました。チケット売場では例のごとくに住民基本台帳カードを提示して無料の当日券を頂きました。常設展は最近は何度も観ているので重点的に重要な作品だけを鑑賞しました。例えばジャン=フランソワ・ミレーの『春(ダフニスとクロエ)』やピエール=オーギュスト・ルノワールの『アルジェリア風のパリの女たち(ハーレム)』などの作品です。ムンクの『マドンナ』も楽しんでおきました。デジタルカメラでの撮影はおおむね上手く行ったようです。今日の私のブログには『アルジェリア風のパリの女たち(ハーレム)』を張り付けておくことにしましょう。私のお気に入りの一枚です。