『日本語に主語はいらない』を読みました。

先日も紹介した金谷武洋さんの『日本語に主語はいらない』(講談社選書メチエ)を読みました。「百年の誤謬を正す」と副題の付いたこの本は、主述二分構造の欧米の文法を、無理やり日本語に当てはめてきた過ちを、現場でカナダ人学生たちに日本語を教えるという著者の立場から見事にあばいていきます。読みながら何度も面白くて笑ってしまいました。伊丹十三村上龍森有正たちに付いての記述が余りにも見事だからです。圧巻はやはりスーパー助詞「は」の説明の部分です。「は」が「ピリオド越え」や「コンマ越え」をしていくさまを見事に分析しています。日本語教師を目指している学生諸君には必読の一冊だと思います。