大学には11時40分に着き、最初の会議が始まるまで50分ほどの時間が有ります。

 11時2分の各駅停車南船橋行きで移動を開始しました。車中では幸い座席を確保できたのでドミニック・ローホーさんの『人生で大切なことは雨が教えてくれた』(幻冬舎)を読みました。「別世界から響いてくる「こだま」である雨は、私たちをいきなり捕え、現実の世界からこの世の起源へ舞い戻らせることもできる。それはディオニッソス型の生き方、極限を掴む、生命エネルギーが沸々と漲る宇宙空間の「空」を捉えることで、筆舌に尽くせない喜びの瞬間だ。ここで自分が宇宙の一部を成していることを実感するのだ。」と有りました。南越谷で下車して東武スカイツリーラインの11時24分の南栗橋行きに乗りました。大学には11時40分に着き、最初の会議が始まるまで50分ほどの時間が有ります。文学の9回目のハンドアウトを多文化準備室の助手のMさんに手渡しておきました。「レトリックの周辺」というテーマで語るつもりです。研究室ではドミニック・ローホーさんの『「限りなく少なく」豊かに生きる』(講談社)を読みました。「とるに足りないこと」を讃えると題した章に「とるに足りないこと」「無益なこと」とは、よく「価値も将来性もないもの」と同義語ととらえられています。ところが、中国哲学によるとこの「とるに足りないこと」が実は素晴らしいことなのです。意味もなく砂浜に打ちつけては引いていく波、この波の動きを「無益なこと」ととらえてよいのでしょうか。花見に出かけ、桜の花の美しさに心が躍るとき。この花の美しさはどうしてこれほどまでに私たちにエネルギーと喜びを与えてくれるのでしょうか? 花の開花など一見とるに足りないことのようですが、この喜びがないと、反対に生きていくことがつまらないものにならないでしょうか。」と有りました。帰路はしもうさ号に乗り武蔵浦和で下車しました。教育学部外国語選択オリエンテーションの日程をNOLTYに書き込んでおきました。(写真はポール・ゴーガンの「海辺に立つブルターニュの少女たち」です。)