佐々木中著『夜を吸って夜より昏い』を読了しました。

takuzemi2013-05-27

 午前9時前には家人が仕事に出掛けていきました。今日は10時にハウスクリーニングの業者の方が台所のレンジフードを掃除しに来てくれることになっています。佐々木中著『夜を吸って夜より昏く』(河出書房新社)をロッキングチェアに凭れて読みながら待つことにしました。
 10時調度に呼び鈴が鳴りました。ドアを開けてみると業者の方が立っています。中に入ってもらって、さっそく作業に取り掛かってもらいました。業者の方は作業に黙々と集中するタイプの方だとお見受けしました。ほとんど私に話し掛けもせず、レンジフードの掃除にひたすら取り組んでいます。私はと言えばロッキングチェアに凭れて本を読み続けているだけで事足ります。
 そのうちに佐々木中著『夜を吸って夜より昏い』を読了してしまいました。独特の文体で綴られる物語は終章で意外な結末に走り込んで行きます。読者である私自身も大きな欠落という傷を受けないわけには行きません。この作品は一つの「達成」だと言えるでしょうね。大いに満足して読了しました。
 ハウスクリーニングの仕事は念入りなものでした。1時間20分ほども掛かって作業していました。業者の方は「律儀」という言葉がひったりの印象でした。料金を受け取ると直角な感じで領収書が返ってきます。それから直覚にお辞儀をすると帰っていきました。2分もしないうちに家人が帰宅しました。帰る途中の業者の方とすれ違ったと言います。

狛犬ならぬ狛兎が門前に並んでいて不思議な神社です。

  午後の2時20分には散歩に行こうと家を出ました。先ずは金輪山医王寺の境内に立ち寄りました。涼しい風が吹き抜けていく境内は別世界のように思われます。白幡の住宅地のゆるい登りの坂道も私の好みの一角です。ゆっくりと坂道を登っていくと白幡市民緑地のこんもりとした緑と数年前に私が通っていた「まさ整形外科クリニック」が見えてきます。病院の前を右折して住宅街の路地を抜けました。岸町の交差点で道路を渡りました。調(つきのみや)神社を訪れました。狛犬ならぬ狛兎が門前に並んでいて不思議な神社です。境内の雰囲気を楽しんでから裏道を抜けて浦和駅前に抜けて伊勢丹並びのCORSOに出ました。高砂小学校の西門(勇愛門)の前を抜けて浦和駅伊勢丹並びのCORSOに出ました。山野楽器ではピアノを上手に引きこなしている小柄な中年男性を見掛けました。CORSOの須原屋書店で色々と本を物色しました。山内浩泰著『上野に行って2時間で学びなおす西洋絵画』(星海新書)とローデンバッグ著・窪田反般禰訳『死都ブリュージュ』(岩波文庫)の2冊を買っておきました。『上野に行って』を帰りの電車で読んでみたのですが、とても楽しい本ですね。私に取って上野の美術館に出掛ける機会が増えそうな一冊です。当然、立ち飲みの店「たちおか」に立ち寄る機会も増やしてくれるでしょう。西洋絵画史を学び直すことは私の今年の計画の一つです。少しずつ知識を貯えて行こうと思っています。(写真は調神社の門前の狛兎です。)