佐々木中著『夜を吸って夜より昏い』を読了しました。

takuzemi2013-05-27

 午前9時前には家人が仕事に出掛けていきました。今日は10時にハウスクリーニングの業者の方が台所のレンジフードを掃除しに来てくれることになっています。佐々木中著『夜を吸って夜より昏く』(河出書房新社)をロッキングチェアに凭れて読みながら待つことにしました。
 10時調度に呼び鈴が鳴りました。ドアを開けてみると業者の方が立っています。中に入ってもらって、さっそく作業に取り掛かってもらいました。業者の方は作業に黙々と集中するタイプの方だとお見受けしました。ほとんど私に話し掛けもせず、レンジフードの掃除にひたすら取り組んでいます。私はと言えばロッキングチェアに凭れて本を読み続けているだけで事足ります。
 そのうちに佐々木中著『夜を吸って夜より昏い』を読了してしまいました。独特の文体で綴られる物語は終章で意外な結末に走り込んで行きます。読者である私自身も大きな欠落という傷を受けないわけには行きません。この作品は一つの「達成」だと言えるでしょうね。大いに満足して読了しました。
 ハウスクリーニングの仕事は念入りなものでした。1時間20分ほども掛かって作業していました。業者の方は「律儀」という言葉がひったりの印象でした。料金を受け取ると直角な感じで領収書が返ってきます。それから直覚にお辞儀をすると帰っていきました。2分もしないうちに家人が帰宅しました。帰る途中の業者の方とすれ違ったと言います。