朝は家人の淹れてくれたコーヒーを飲んで書斎に入りました。

takuzemi2014-08-18

 朝は家人の淹れてくれたコーヒーを飲んで書斎に入りました。NHKの第二放送でフランス語の番組を聴いたのです。「あなたはどこから来たのですか?」「私は日本から来ました。」などの単純なやり取りが聴こえてきます。フランス語の番組が終わってからTV5で「LES CARNETS DU BOURINGUEUR」と言う番組を観ました。舌っ足らずですが「冒険ノート」とでも言うのでしょうか。日本語の字幕付きでアンデスの革命軍の行動を報告しています。
 8時35分に家を出て別所沼まで散歩に出掛けました。朝方は曇っていたのですが、駅前広場に出たら空は晴れ上がっていました。気分の良い一日が始まりそうです。この時間になると通勤客の姿もほとんど無く「花と緑の散歩道」は閑散としています。ゆっくりと桜並木のトンネルを抜けて楽しみました。調度開院前なのか若林医院の看護婦さんが窓を開いて空気を入れ換えていました。新しい空気が医務室に入るのは良いことだと思いました。いつも決まったように散歩道の落ち葉を掃き清めている人がいます。自然に頭が下がりました。立原道造のヒアシンスハウスの前にソランポジウムの群生が有るのですが、私の不注意のためか掲示板に気付かず初めてその名を知ったことでした。いつものように時計回りで別所沼を一周しました。埼玉県原爆死没者慰霊の碑に合掌してから、別所沼弁財天に五円玉を奉納して柏手を打っておきました。三人組の女性がランニングしているのを見掛けました。中の一人は「冗談じゃねえ!」と言います。女性たちの元気さにエールを送りたくなりました。

サントリー美術館で「ボヘミアン・グラス 耀きの静と動」を観ました。

 午後は12時21分の新木場行きで移動を開始しました。車中では小林泰三の『アリス殺し』(東京創元社)を読みました。ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』と現実世界が相似形になってしまい、いずれが真実なのか見当も付きません。ギャグも多発されて笑わせられてしまいます。新宿で都営大江戸線に乗り換えて六本木で下車しました。8番出口から出るとサントリー美術館はすぐ近くです。1300円でチケットを買い求めて館内に入りました。「ボヘミアン・グラス 耀きの静と動」が開催されています。「コロウラット家家紋章文蓋付ゴブレット」は透明度の高い、いわゆる「ボヘミアン・クリスタル」で面取りカットと精緻な浅彫りが美しいゴブレットでした。「熊形パズルグラス」は使う人を驚かせるトリックグラスの一種で、この瓶は鼻先が注ぎ口になっているとのことで、巧まぬユーモアに驚かされました。ガラスの容器に人物像が描かれていました。聖書に出てくる六人の使途や樽からワインを注ぐ人物、トランプとバックギャモンで遊ぶ二人の人物、また神聖ローマ帝国皇帝などが描かれていました。全てが酒を回し飲みするための器だと聞きました。素っ気ない「皿」と題された皿が有り深い青色を湛えています。IHSの文字が記されています。「Iesus Homnum Salvator(救い主イエス)」の文字が有り、キリスト教文化がチェコまで届いていたことを確認することができました。「ゴブレット脚付ビーカー」は深い緑色の容器で左には人物像が、右には花形模様が刻まれていて、その美しさに驚かされました。亡くなった叔父さんとビールを飲み交わしたいと思ったことでした。東京ミッドタウンの中に金沢の福光屋の出店が有り、大学時代の同級生たちと杜氏の仕事を見せてもらったことを思い出しました。