サントリー美術館で「ボヘミアン・グラス 耀きの静と動」を観ました。

 午後は12時21分の新木場行きで移動を開始しました。車中では小林泰三の『アリス殺し』(東京創元社)を読みました。ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』と現実世界が相似形になってしまい、いずれが真実なのか見当も付きません。ギャグも多発されて笑わせられてしまいます。新宿で都営大江戸線に乗り換えて六本木で下車しました。8番出口から出るとサントリー美術館はすぐ近くです。1300円でチケットを買い求めて館内に入りました。「ボヘミアン・グラス 耀きの静と動」が開催されています。「コロウラット家家紋章文蓋付ゴブレット」は透明度の高い、いわゆる「ボヘミアン・クリスタル」で面取りカットと精緻な浅彫りが美しいゴブレットでした。「熊形パズルグラス」は使う人を驚かせるトリックグラスの一種で、この瓶は鼻先が注ぎ口になっているとのことで、巧まぬユーモアに驚かされました。ガラスの容器に人物像が描かれていました。聖書に出てくる六人の使途や樽からワインを注ぐ人物、トランプとバックギャモンで遊ぶ二人の人物、また神聖ローマ帝国皇帝などが描かれていました。全てが酒を回し飲みするための器だと聞きました。素っ気ない「皿」と題された皿が有り深い青色を湛えています。IHSの文字が記されています。「Iesus Homnum Salvator(救い主イエス)」の文字が有り、キリスト教文化がチェコまで届いていたことを確認することができました。「ゴブレット脚付ビーカー」は深い緑色の容器で左には人物像が、右には花形模様が刻まれていて、その美しさに驚かされました。亡くなった叔父さんとビールを飲み交わしたいと思ったことでした。東京ミッドタウンの中に金沢の福光屋の出店が有り、大学時代の同級生たちと杜氏の仕事を見せてもらったことを思い出しました。