小林泰三さんの『アリス殺し』(東京創元社)を朝から読みました。

takuzemi2014-08-19

 小林泰三さんの『アリス殺し』(東京創元社)を朝から読みました。読者を裏切るどんでん返しも巻末には用意されていて、呆気に取られてしまいました。広山准教授の存在感に圧倒されました。小林泰三さんの作品は創元推理文庫に三冊も入っているそうです。駅前の須原屋が開店する時間を待って探しに行ってみるつもりです。『アリス殺し』を読み終わってから地下の貯蔵室までごみを捨てに行きました。いつものように夏目漱石の『こころ』を切り抜いて、林真理子さんの「マイストーリー」を読みました。社説には「アナ雪人気」の見出しが有り、副題は「行きにくさを超えて」と有りました。「物を凍らせる力を持つ孤独な姉エルサと、特別な力はないが快活な妹アナ。二人の王女を主人公にしたこの映画の人気が止まらない。」と編集委員の方は書いています。巧みにエルサとアナの性格の違いを取り入れて、二項対立を導いているのが分かります。
 9時過ぎにはいつものように別所沼まで散歩に出掛けました。この時間になると通勤客も影をひそめて「花と緑の散歩道」は閑散としています。今日は風も吹いていないのでかなりの暑さです。別所沼に着いて立原道造のヒアシンスハウスを眺めました。いつものように埼玉県原爆死没者慰霊の碑に合掌してから、別所沼弁財天に賽銭を上げて柏手を打ちました。孫の手を引いているお爺さんを見掛けました。可愛い盛りなのでしょう。お爺さんもご満悦の表情でした。帰りがけに須原屋書店に立ち寄りました。小林泰三さんの本を探したのですが『見晴らしのいい密室』(早川文庫)だけしか見つからず残念に思いました。

岡村昭彦写真展「生きること死ぬことのすべて」を観賞しました。

 午後は恵比寿の東京写真美術館を訪問しました。岡村昭彦写真展「生きること死ぬことのすべて」を観賞しました。「キャパを継ぐ男」として注目された岡村はドミニカ、ハワイ、タヒチなどを取材し、68年に家族と共にアイルランドに移り住んだとい言われています。第一章「戦火の街角で」では水田に投入された兵士が五人居ます。至近距離には小銃の銃口が見え、戦火の激しさを思わせます。「ジープの横に政府軍」の第一章」「戦火の街角で」はでは水田に投入された兵士が居ます。至近距離には小銃の銃口が見え、戦火の激しさを想いだせます。戦火の恐ろしさに慄然とさせられました。岡村昭彦の愛用したカメラが有りました。ニコンFとライカM4です。岡村昭彦ベェエトナム戦争に取材した岩波文庫の二冊の著書が有ります。『南ベトナム戦争戦争従軍記』(岩波新書)の正続です。二階に降りて、「ホォタナ・タン まなざしの詩学」を観賞しました。会場に入るとのっけから当惑されましまた。古い記録フィルムや写真を素材として、ドキュメントとフィクションの間を往還しながら集団や個人に於ける文化的差異がいかに記憶され、また人々の記憶に留められて来たかを繊細に問い掛けられると言うことです。行き帰りの電車では幸いに座席が確保できたので、小林泰三さんの『完全犯罪』(創元社推理文庫)を読みました。坂口安吾の『蛸博士』を思い出してしまいました。笑いながら読んだことでした。小林さんの『完全犯罪』は言葉遊びもたっぷりと
詰め込まれていて、笑いながら読んだことでした。(写真は植田正治の「妻のいる砂丘風景」です。)