梅原猛と吉本隆明の三島由紀夫批判とは?(日本的なものとは?)

千草キムラ・スティーブン氏のこの本は注が充実していることも指摘しておかなければなりません。例えば第3章の注(72)では梅原猛吉本隆明の言説を引用しつつ「日本的なもの」をどう捉えるべきかについても言及しています。(以下は引用です。)
梅原猛も(中略)神風連や極端な国粋主義国学者の説を善しとする三島を批判して、「日本精神というものは、むしろ、多くの文化を移入しながら、それをどのように咀嚼し、どのようにそれを自己のものにしていったかという方向において考察さるべきで」あり、「現在あるものから外来のものをさし引いたところに」「日本独自のものは出て来ない」と指摘している。また吉本隆明も、「三島が<日本的なもの>、<優雅なもの>、<美的なもの>と考えていたものは、<古代朝鮮的なもの>にすぎない。また、三島が<サムライ的なもの>とかんがえていた理念は、わい小化された<古典中国的なもの>にすぎない」と批判している。」(p.161.)注(72)・・・みなさんはどう考えますか?