ロンドンの煙突とベケットの読書会を楽しみました。

takuzemi2007-08-06

今朝は9時には研究室に入って、読書会の下調べに取り掛かりました。相棒のM君が熱心なので、こちらも手が抜けません。しばらく辞書に当たりながら予習をしていたら、隣の研究室のK先生が顔を見せました。A4ほどの大きさに拡大して現像した写真を何枚も持っています。聞けばロンドンの古い建物の「煙突」を写した写真なのだそうです。ルイス・キャロルの研究で何度もイギリスに足を運ぶうちに、すっかり煙突マニアになったとおっしゃいます。素晴らしい写真と楽しいお喋りに盛り上がりました。・・・そのうちにM君が到着したので、読書会に取り掛かりました。なかなか難しい内容で、今日も四苦八苦します。Badiouはベケット的な「語る主体」の有り様を『名付けえぬもの』に依拠しながら「trio」として分析していきます。第1は語る主体である「発話の主体」、第2はこの語りを聞くものとしての「受動的な主体」、そして第3にはこの両者の存在とは何なのかと問いかける「尋問する主体」が認められると言うのですね。自己分裂の責め苦を生きるベケット的な話者像が浮き上がってきました。