講義録の種が昼前には完成しました。

takuzemi2007-08-12

藤井淑禎編『日本文学研究論文集成26 夏目漱石1』(若草書房)所収の松下浩幸「『三四郎』論−「独身者」共同体と「読書」のテクノロジー−」を要約して抜き書きを作りました。面白い論文です。『三四郎』に出てくる広田先生、野々宮君、画家の原口などの織り成す本郷文化圏の独身男性たちが形成している男社会の規範や論理が、いかに美禰子やよし子を始めとする女性たちを抑圧する制度の上に成り立っているかを暴き出していく筆致は説得力があります。「書斎」という自己満足の空間を、松下氏は「「孤独」を「自由」と「快楽」に転化する場であり、あるいは独りの祝祭を生きる空間、独りのユートピアを生きる場である。」(p.257.)と定義しています。ここからは女性嫌悪と独善が発生することもあるのです。若い人々の「個室」も実はこんな性格を持っているのではないでしょうか?(心配になったら外に出て他流試合をしてください。)・・・7ページほどの講義録の種が昼前には完成しました。o(^0^)o