ロブ=グリエの文学観について話しました。

午後の3限は「ヨーロッパの文学」の講義です。来週は入試の業務で出張と重なり休講となるので、今日が秋楽器の最終回の授業です。先ずはサルトルカミュの「実存主義」の話を簡単にまとめて話しました。『嘔吐』と『異邦人』のストーリーも要約して話しました。それからアルジェリア戦争などをめぐるサルトルカミュの対立とその後の影響についても話しました。最後に二人に続く世代としてのロブ=グリエの文学観について話しました。数年前の夏にフランス文化放送で25回にわたって放送されたこの前衛作家の連続講義の内容をまとめたものです。(私はあの夏はネットラジオの音声をハードディスクに録音して何度も繰り返して聞きながらノートを取ったものでした。)ベルリンの廃墟で第2次大戦の終わりを迎えたロブ=グリエが伝統の否定を通じてさまざまな文学上の試みを行ったあとに、国語としてのフランス語に回帰するという物語を語ってみました。
夕方には8号館の向こうに凄絶なまでの美しい夕焼けが望まれました。助手のMさんと一緒にしばし真っ赤な夕焼けに見とれてしまいました。