漱石研究者のK先生のお宅にお邪魔しました。

takuzemi2008-02-22

浅草は駒形にお住まいのK先生のお宅にお邪魔しました。先生は長年、アメリカの大学で日本文学を教えてきた方です。夏目漱石の『明暗』についての大変に楽しい本をお書きになっています。(私のブログでも触れさせていただいたことがあります。)着いて早々に名店「色川」に案内され、舌がとろけるような美味しい鰻重をいただいてしまいました。・・・先生のお部屋で今日は漱石の『彼岸過迄』、『行人』、『こころ』あたりの作品についてのお考えをゆっくりお聞きすることができました。建築家を志望したこともある漱石の作品は、実は大変に緻密な構造を持っているというお話です。そうした構造を読み解く作業が大切であることを先生は何度も強調されました。
K先生は漱石の小説を明るい方向で読み解こうとしています。未完の小説『明暗』の結末もハッピーエンドだと推理していました。漱石の他の作品もそうした方向で読み解けはしないかとのヒントをいただきました。楽しいお話に時の経つのを忘れて、すっかり長居をしてしまいました。
先生のお宅を辞去して駒形橋の上から隅田川を見下ろしました。春休みの宿題が見えてきました。ゆっくりと漱石を読みなおして、浮き上がってくる構造を把握する作業です。なんだかわくわくしてきました。