Fさんとの読書会が待っています。

takuzemi2009-01-28

朝は1限からFさんとの読書会が待っています。いつもの時間に家を出て大学に移動しました。元荒川の水面で一羽のユリカモメを目撃したのですが、今年は群れをなしてやって来る様子でもありません。コロニー(?)の場所が移動したのでしょうか。
9時から10時半まではFさんとブリュネルのランボー論を読みました。『地獄の季節』の中の「錯乱II〜言葉の錬金術」に付いての分析が続きます。今、読んでいる部分には余り聞いたことのないカバラ文献の名前やさまざまなオカルトの思想家の名前が出てきます。下訳を用意してきてくれたFさんは、そうした部分の調べごとも片付けねばならなかったはずです。時間を掛けた労作でした。
2限の時間帯は空き時間となったので、4年ゼミ生の諸君の卒論の査読を続けました。宮崎駿氏の『千と千尋の神隠し』を学齢期の子供の内的世界の表現として読み解こうというOさんの論文、漱石の「夢十夜」を独自の観点から分析しようというS君の論文などを読みました。S君の「夢十夜」の解釈には、漱石が心的に求めていた境地に対する推論があります。漱石は「明快で直覚的な心のあり方を重視していた」とS君は考えています。この点は私もまったく同感です。この切り口は大変に面白く感じ、感心させられました。