図書館の地下の閲覧席でゆっくりと読書を楽しみました。

 図書館で午後の時間をのんびりと過ごしました。今日も自宅から持ってきたアラゴンの『冒頭の一句』を読みました。リオネル・フォレの『オーレリアン』に付いての研究書も少しだけ読み進めて過ごしました。フォレの原文は活字が小さくて骨が折れます。けれども、なかなか面白くて役に立ちます。面白そうな部分は訳文を作ったりしながら読みました。
 『冒頭の一句』には特異な作家であるレイモン・ルーセルに付いての言及もあります。ルーセルまで読んでいる余裕はないのですが、『アフリカの印象』を訳された岡谷公二氏が解説でルーセルの小説技法を分かりやすく紹介してくれています。これにも目を通しておきました。面白そうな部分はコピーも取っておきました。
 午後の4時過ぎには荷物を取りまとめて帰路に着きました。元荒川の川沿いの道を歩いていると風が多少は出てきたようです。けれども、まだ大変な暑さです。元荒川の水面も夏空の下で黙りこくっているような面持ちです。
 武蔵浦和で電車を降りたところで声を掛けられました。見れば図書館の職員のIさんです。以前は武蔵浦和に住んでいらしたのでした。再開発が行われていた2年半ほどの間は草加に引っ越されていたとのことで、最近、武蔵浦和に戻ってきたそうなのです。近くにお住まいなので、どこかですれ違っていたかも知れません。
 帰宅してみたら窓が開け放たれています。家人は泳ぎに行ったらしく、姿がありません。窓の外はまだ夏の光が降り注いでいます。ベランダから吹き込んで来る風を浴びながら芒洋としました。三富朽葉の詩の一節だったでしょうか。「さらば、さらば。我が慕う夏の光よ、さらば。」の一節を思い出してしまいました。記憶で書いています。正確ではありませんよ。(越谷キャンパスも人けがありません。がらんとしています。)