嘉手苅林昌さんの「おきなわの心」は逸品の一枚だと言えるでしょう。

 午後は武蔵浦和駅発13時8分の快速川越行きに乗りました。意外なほどに車中は空いていて、楽々と座席を確保することが出来ました。持ってきた若杉冽さんの『原発ホワイトアウト』を読みながら移動を続けました。30分ほどでJR川越駅に到着し、駅ビル4階のブックファーストに立ち寄って文庫本を2冊買っておきました。つげ義春さんの『李さん一家 海辺の叙景』と『赤い花 やなぎ屋主人』の2冊です。どちらもちくま文庫でした。
 川越に着いてサンロードから西武線本川越駅に抜けました。祖母に連れて行ってもらったことのある「ひげ蕎麦」はもう見当たりませんでした。この店のラーメンには川魚が入っていて相当に生臭かったことを記憶しています。歩いているうちに何だかセンチメンタル・ジャーニーを送っているような気分になってきました。蔵造りの町並みに差し掛かって気分を取り直すことができました。札の辻まで歩いてから、Uターンをして元来た道を辿りました。
 帰路は大正ロマン通りを選んでみました。この通りには沖縄グッズを集めた真南風(まはえ)というお店があるのですが、ここでお宝と言っても良い一枚のCDを見つけてしまいました。嘉手苅林昌さんの「おきなわの心」です。すでに廃盤になってしまったLPからの初CD化らしく、私もアナログで数枚、CDでも数枚持っている記憶があるのですが、武蔵浦和の現在のマンションに引っ越すときに紛失してしまったらしいのです。嘉手苅林昌さんの「おきなわの心」は今では見当たらなくなっていた逸品の一枚だと言えるでしょう。
 高校時代に薬局の主人の長男がいました。H薬局という屋号でした。その薬局の跡が更地になっていて驚きました。跡地にビルでも建てるのでしょうか? 帰路は小江戸蔵里で豚モツの冷凍パックを買っておきました。今夜の晩酌にはお誂え向きの一品となってくれそうです。帰路の車中ではブックファーストで買ってきた『赤い花 やなぎ屋主人』をぽつりぽつりと読んで楽しみました。学生時代に読んだ記憶が蘇り、昔のことが懐かしく思い出されました。