文学の第8回は「『道草』を読む」と題してお話しました。

 熊倉千之先生の『漱石の変身〜『門』から『道草』への羽ばたき』(筑摩書房)を読み直しました。主に『道草』に関しての記述が有る第二章ん「『道草』ー『門』なアンチテーゼ」を重点的に再読しました。私の読んだ限りでは、熊倉先生は漱石と言う作家が明確な主義と主張を持っていて、ポストモダンのような作家の主張を相対化するような無責任な読み方はできないと主張しているのです。
 10時42分の南船橋行きに乗って移動を開始しました。車中で読んだのはもちろん熊倉先生の『漱石の変身』です。文学作品を精読することで明るい未来が見えてくると先生は主張していると思われます。いつものように新越谷駅の構内の小諸蕎麦で天麩羅蕎麦を食べて昼食にしました。大学に着いたのは11時40分頃でしょうか。今日は学部長の磯山先生が研究室にいらしたので
 洋服の青山の店長代理のMさんからの伝言を伝えておきました。Mさんは磯山先生のゼミに所属して活発にゼミ活動をこなしていたと言うのですね。
 文学の第8回は「『道草』を読む」と題してお話しました。主人公の健三が神経衰弱の学校の先生であり、その妻のお住みがヒステリー性の体質を持っていることをお話しました。この作品が自然主義系の文壇から高く評価されたことも強調しておきました。ロンドンから帰国した後、「ホトトギス」に『吾輩は猫である』を下記始めたことも「今から一カ月余り前、彼はある知人に頼まれて其男の経営する雑誌に長い原稿を書いた。(中略)彼はただ筆の先に滴る面白い気分に駆られた。」(八十八)の部分に読み取れるのです。『ユメ十夜』のDVDを第三夜から第五夜まで観て文学の講義を終えました。