朝は先日、大学図書館でコピーしてきた翰林書房「漱石研究」第16号の「奇想天外『虞美人草』講義」を読みました。

 朝は先日、大学図書館でコピーしてきた翰林書房漱石研究」第16号の「奇想天外『虞美人草』講義」を読みました。高山宏氏を囲んで小森陽一氏と石原千秋氏が周囲を囲んでいます。高山氏の発言に呼応する形で小森氏が「『虞美人草』を演劇的な世界と考えてみれば、あの唐突な終わり方も演劇的なクライマックスの一つの仕立てだなという気もします。」と発言しています。高山氏の博識さは留まる所を知りません。「エブリマン」と言うジャンルが有り「信仰の篤い女が出てきたら、最初から名前はフェース(faith)と決まるんだよ。」と発言しています。その並びで行くと小野は「リトル・フィールド」甲野は「鎧・甲冑のフィルドとなると言っています。高山氏の発言はまだ続きます。「山って、つまり女は立ち入ることができない修験の場所だからね。甲野と宗近が登っている比叡山を暗に示しているのでしょう。それから翰林書房漱石研究第10号の「『それから』を撮る」を読みました。筒井ともみ氏と小森陽一氏と石原千秋氏の鼎談です。筒井ともみ氏は「私って古い人間だから、今でも鉛筆で書くんですけれどね、(中略)少しでも書き直しがあると、その原稿は丸めて捨て、新しい原稿用紙にする。」と発言しています。石原氏の発言にこんなものが有ります。「『それから』のビデオを今朝、もう一度見直して来たんです。美しさが孕む、ある種の危うさとか、狂気みたいな部分が良く出ているなと思いました。筒井ともみ氏の発言です。「一言で言うと、イノセントでアナーキーな女が好きですね。いろんな束縛が少ないと思うけれど自己完結していけるし……。まあ同じ事の、こちら側の側面かもしれないけど。」と発言しています。

午後は東京国立博物館平成館を訪ねて「日本国宝展、祈り信じる力」を観賞しました。