うらわ美術館を訪問してルーヴル美術館の銅版画展カルコグラフィー・コレクションを観賞しました。

 うらわ美術館を訪問してルーヴル美術館の銅版画展カルコグラフィー・コレクションを観賞しました。18日で最後なので虫眼鏡を借りて細部に注意しながら銅版画を観賞しました。レオナルド・ダ・ヴィンチの「老人の頭部」は一徹そうな老人の頭部で輪郭を明から暗へ徐々にぼかして描く「スフマート技法」を利用するなど、完璧な技法と深い精神性を表現しているそうです。サンドロ・ボッティチェリの「三美神(春の部分)」は何度観ても良いですね。三美神がたおやかな表情で踊っている画面で、私には見えないリズムに乗っているようにも思われます。レンブラント・ハルメンス・ファン・レインの「ベレー帽を被った自画像」は若い男が自信に満ちた顔をしています。同じ作者の中年に差し掛かった自画像が有るのですが数々の辛酸を嘗めた後なので「ベレー帽を被った自画像」程の生彩は感じられません。ギュスターヴ・モローの「出現」はヨカナーンの首が空中に浮かんでいる画面でサロメはヨカナーンの首を左手で指し示していて不動の構えを崩していません。アントワーヌ・ジャン・グロの「アレコレ橋のボナパルト」は生気漲る美しい顔付きと、大きく翻る軍旗に寄って、その英雄性を讃えています。藤田嗣治の『魅せられた河』より「サンフィリップ教会」も良いですね。花嫁衣装を身に包んだ女性が左側に立ち、介添え役の少年が右側に配置されて、バランスの良い画面に収まっています。同じ作者の『魅せられた河』より「シャンゼリゼ大通り」はパリの街のシャンゼリゼ大通りを描いたもので三色旗の国旗が上がったお城が有り、街は賑わいを見せています。同じ作者の『魅せられた河』より「オペラ座の夢」は胸も露わに見せている女が眠っている姿で髪も乱れています。背後には白いカーテンが有って、向こうにはオペラ座が見えます。