午後の3限は演劇論で「洗練されたフランス古典劇」に付いてお話ししました。

 午後の3限は演劇論で「洗練されたフランス古典劇」に付いてお話ししました。一七世紀ヨーロッパの中心、フランスでは古典劇ののっとる洗練された演劇が花開き、優雅でとりすました美しい外見の下に隠された、エロスと狂気が噴出することもお話ししました。フランスでは古典劇は、シェイクスピア劇やスペインのバロック演劇と比べるとはるかに均整が取れ、洗練されている。その構成上の特徴は、独特な「三一致の法則」に良く表れている。つまり、筋書きは単純で、枝葉のエピソードは可能なかぎり刈り取られ、大団円へと一直線に進んでいく(筋の一致)。第一幕から第五幕の終幕まで、場面は同じ場所に設定され(場所の一致)出来事は一日のうちに終わりを告げる(時の一致)などをお話ししました。『フェードル』を演じている「女優マルキーズ」を観賞しました。自分の言葉を獲得していくマルキーズは成長小説のジャンルに属することもお話ししました。
 4限の卒業研究では北田暁大氏の「みえない多文化都市」を読みました。空間的な街を形成しないヴァーチャルなエスニックタウンが登場している。移住者は故郷を求めるのでなく、自己と故郷をつなぐ中継点を求めて街に集まるようになった。かつてアウラを求めて渋谷にいた日本の若者も、今では街を情報アーカイブと見なしている。都市が空間的舞台から、情報アーカイブの機能へ移行している背景には情報技術の発展があげられ、アウラを失ったみえない多文化都市が形成されつつあることをお話ししました。学生の近況を尋ねたら「最近は昼は暑く、夜は寒いという日々が続いています。」「最近外国の児童文学に興味を持っています。表現や世界観が様々で、とても面白いです。これを卒業論文に活かそうと考えているので、まずは多くの作品に触れ、知識を広げていこうと思います。」「ゴールデン・ウィーク中は充実した日々を過ごしました。自分の中では毎年の恒例行事となっている「Tokyo Cantat」というイベントの一貫で、ウィーンから来た指揮者、ノルウェーから来た指揮者と音楽づくりを楽しみました。」「ゴールデン・ウィークは実家に帰り帰省していました。私の実家は茨城です。とてもいいところなんで頻繁に行ってみてください。」と有りました。