5限の3年生のゼミでは『『星の王子さま』を学ぶ人のために』(世界思想社)を輪読しました。

 今日はランボー読書会は相棒Fさんが所要が有って中止となりました。演劇論と文学の次回からの予定を固めておきました。演劇論では「から騒ぎ」、「恋におちたシェイクスピア」、「真夏の夜の夢」、「レ・ミゼラブル」、「ロミオとジュリエット」、「サロメ」、「王は踊る」、「身毒丸」と続く予定です。文学の方は「文学理論のプラクティス」、「レトリックの周辺」、「『道草』を読む」、「詩のボクシング」の観賞、それから「通俗論理の周辺」、「漱石の『明暗』を読む」、「夏目漱石の初期から後期への変化」そして最後には「夏目漱石完全版」で締め括る予定です。最後の原稿は81枚も有るので90分一杯を使って語る予定です。5限の3年生のゼミでは『『星の王子さま』を学ぶ人のために』(世界思想社)を輪読しました。「どこにいるんですか人間たちは?」と言う問い掛けは優れてモラリスト的な問い掛けである確認しました。18章では「人間が根を持たない寄る辺ない存在であることも語られます。18章では「花びらが三枚ついた、どうということもない花」が「人間にはどこに言ったら会えますか?」という王子の質問に答えて語ります。「人間ですか? たぶん、六人か七人はいるでしょうね。何年かまえにみかけましたよ。でも、どこにいるかなんて知りません。なにしろ風まかせでしょう。人間には根っこがありませんもの。それで人間はずいぶん、苦労しているのです。」と言うのです。「目に見えない精神的な価値や倫理性」が有ることも説明しました。『星の王子さま』の第21章は大変に重要な章です。王子とキツネの出会いが語られるからです。この章では「なつかせる」と言う重要なキーワードを始めとして「きづなを作る」や「大切なものは目には見えない」などの重要な言葉たちが次々に繰り出されていることも説明しました。学生諸君の近況を尋ねたのですが、研究室に置き忘れてしまって、データは紹介できません。(写真はマルク・シャガールの「婚約者」です。)