文学の授業では「文学理論のプラクティス」と題してお話ししました。

 11時42分の南船橋行きで移動を開始しました。車中では幸い座席を確保できたのでジャン・グルニエの『孤島』(竹内書店)を読みました。「見れば一目で」の中にこんな言葉が有ります。「どこかほかのところへ! それは若者の誰もが真先に発する叫びである。若者は生命をかみあわせる、ただ欲望の歯車だけに…。一体若者は、どこかへ行けば自分の願いが満たされると思っているのか?幸福になるための、愛するための場所が、あると思っているのか? しかし若者は、そんな質問を発する人たちを軽蔑する。青年は、自分自身が自分の正しいことの証人となる特権を持っている。青年は信じる、自分が存在することを、そして自分が信じるものを証明する必要は必要はないことを。」と有りました。南越谷で下車して東武スカイツリーライン東武動物公園行きに乗りました。同僚のY先生が従業を終えて帰るところでした。教務委員のT先生から「ビデオを見せる際部屋は真っ暗にしないで下さい」との要望が有りました。文学の授業では「文学理論のプラクティス」と題してお話ししました。「ミュスティ」と「ネズミ」と対比しました。「ミュスティ」は中心統一的でノモス志向的、円輪的で閉じたテクストであることをお話ししました。一方「ネズミ」の方は脱中心的で、カオス尊重的、離散、脱円環的で開いたテクストであることをお話ししました。文学の授業が終わって帰路は「うらわ美術館」で「幕末明治の浮世絵展」を観賞しました。歌川広重の「伊勢名所二見ガ浦の図」が有り三組の女性が二人ずつ踊りを踊っている光景で背後には海も見えています。三代歌川豊国の「別荘雪見酒盛」はパネルに寄ると「風俗画に見せかけた役者絵」であるそうで、実質は当時人気の歌舞伎役者を描いた役者絵とされる。と有って中央の女性が背を丸めて立つ姿で背の高い女形の役者であることを示していると。」と有り全員が男だったことに気付いたものでした。歌川芳盛の「風流人形の図」は猿田彦と天の臼命の図を描いたものでエロティックな美人天の臼命とグロテスクな老人猿田彦との対比がコミカルでした。