今日の文学では「通俗論理の周辺」と題してお話しました。

 11時12分の各駅停車東京行きで移動を開始しました。車中では幸い座席を確保できたのでドミニック・ローホーさんの『屋根ひとつお茶一杯』(講談社)を読みました。その中にこんな言葉が有ります。「孤独を好む者にとって贅沢とは、面積で測る空間ではなく、「心の空間」を持つということでした。そしてその面積が制限されるほどに、精神が無制限に広がることも知っていました。古の日本で隠遁者にとって茶の庵は世間の「塵」が到達できない空間そのものでした。それは身分や肩書の縛りを解き、世間の喧騒から離れ、静けさを取り戻すための空間だったのです。」と有りました。南越谷で下車して東武スカイツリーライン11時34分の東武動物公園行きに乗り北越谷で下車して大学には11時50分に着き文学のハンドアウトを確認しておきました。今日の文学では「通俗論理の周辺」と題してお話しするつもりです。程なくティーチング・アシスタントのS君がやって来て13101大教室に教育支援科で鍵を借りて大教室に向います。文学では「通俗論理の周辺」と題してお話ししました。岸田秀は「人間は物語を作る動物である」と言う。物語化を通して初めて世界という混沌は人間にとって理解可能なものとある一面もある。「不条理の小説」が現れて初めて不条理の感情がどのようなものなのかが一般的な人間にも認識できるものとなったのだ。通俗物語においては読者が予想した物語の展開通りに場面が展開していくということが往々にして起こる。つまり読者が未知のはずの物語を予測し熟知しているという訳である。それは物語の作者が読者の通俗論理に迎合しているからだ。」と説明しました。帰路は伊勢丹七階の画廊で「シャガール版画展」を観賞しました。「春の日」は明るい表情をした女の人が描かれていて周りには植物が生えています。「エルサレムの窓(赤・青)」は赤い画面の中にライオンと鳩が居てライオンは兵士と、鳩は平和を表すものだと思ったことでした。「カルメン」と大きな乳房の女性が居て、隣にはギターを持った男が居て、左端には踊る女の人が描かれています。(写真はマルク・シャガールの「パリ」です。)