「自分の日常を「詩の素材」として見てしまう。」(谷川俊太郎)

今日の「文学」はビデオ鑑賞にしました。NHK教育テレビで放映された「人間大学」から、詩人のねじめ正一さんの「言葉の力・詩の力」の第3回と第4回を見ました。まずは谷川俊太郎さんの詩が取り上げられました。言葉遊びの詩について、ねじめさんは「針の穴を通すような完璧さ」と評します。谷川さんにとって言葉遊びは「吐き気がするぐらい集中を要する作業だ」という言葉に驚きました。氏が詩を書くのを止めたのも自分が「詩に侵食された人間」だと気づいたからだと言います。自分の日常を「詩の素材」として見てしまう。これでは本末転倒だ。詩ではない視線で日常を見たい。詩で侵食された自分の存在を実人生で取り戻すのだ。・・・こうして谷川俊太郎さんは詩を書くことに決別したのでした。石垣りんさん、永瀬清子さんの詩も奈良岡朋子さんの朗読が素晴らしくて背筋がぞわぞわしました。最後に学生諸君の授業アンケートを回収して授業を終わりました。(次週も人間科学部院生のKくんのアンケートをお願いする予定です。)