元荒川もどんよりとした表情を見せています。

takuzemi2007-07-10

梅雨空が続きます。元荒川もどんよりとした表情を見せています。小雨の降る出津橋を渡って大学に向かいます。・・・午後はフランス語1の授業です。今日は代名動詞について説明しました。再帰的、相互的、受動的、本来的の四つの用法は黒板にマンガを描きながら説明します。絵の腕前はあまり良くありません。今日のマンガはイマイチの出来でした。続くフランス語5はOさんと『自分で訳す星の王子さま』をテキストにサン・テグジュペリの名作を読み進めました。残りの時間数が少ないので名場面を選んでのつまみ食いです。優れた注釈が読者の足元を照らしてくれます。・・・授業が終わってからOさんとお喋りしました。私は漱石の『虞美人草』を読み終わった話をしました。あらすじをOさんに紹介したのです。Oさんの方は「虞美人草」の由来となった中国の原典の話を詳しく説明してくれました。さすがは中国文学科の勉強家です。
5限のゼミは4年ゼミです。春学期の最終回です。最近は就職活動などで忙しい諸君が多く、欠席が目立つ回もあったのですが、今日はまずまずの集まりでした。姜尚中さんの「夏目漱石」を見せてから、読んだばかりの『虞美人草』と『坑夫』に見られる「文明」の意味を私の視点で語っておきました。姜尚中さんのビデオの中で、マックス・ウエーバーの言葉に出てくる「末人」の跋扈する時代を、どこまで自覚しつつ自分の立つべき拠点を見いだすかが、若いゼミ生諸君に取っても問題です。漱石はそれを「自己本位」という言葉で語っている訳です。決して「自己中心的な生き方」などではありません。ぜひとも、とことん考えてみてください。