漱石の『こころ』を読みながら出張に出掛けました。

takuzemi2007-07-27

今日は出張で一日が終わりました。静岡県のある高校まで訪問したのです。進路指導のS先生にお会いして文教大学の教育理念の基本をお話しました。越谷キャンパスの特徴もお話しました。暑い一日となり新幹線と路線バスを乗り継いでの旅はなかなか大変な長旅となりました。・・・出張の途中で赤ペンで書き込みをしながら読み耽っていたのは漱石の『こころ』です。何度か読んでいる作品ですが読み直すのは久し振りです。やはり色々と不全感の残る異様な作品だと言わなければなりません。先日紹介した『総力討論 漱石の『こころ』』(翰林書房)でも誰かが言っていたと思いますが、まるでムンクの『叫び』を小説にしたような不気味さが感じられます。先生の遺書を読んだ後の「私」はこれから何をどうするのかも読者に知らされないままです。けれども、不完全終止の居心地の悪さにもかかわらず、この異様な作品は我々読者を夢想に誘ってやみません。(帰りの新幹線が浜松町のあたりで止まってしまい大分待たされました。東京モノレールの大文字の看板が目につきます。)