『生き延びるためのラカン』を読了しました。

斎藤環さんの『生き延びるためのラカン』(バジリコ)を読了しました。「日本一わかりやすいラカン入門」が売りです。ラカンの難解な概念である「他者の欲望」、「鏡像段階」、「父の名」、「転移」などを軽い語り口で語ってくれます。すいすいと読めてしまうのですが、すいすいと理解できている自信は持てません。芥川龍之介の『薮の中』や映画「太陽がいっぱい」(「リプリー」)などの作品を例に引きながら具体的に説明するところは有り難いですね。「症例エメ」や「症例ドラ」などの解説も分かりやすいし、「おたく」と「腐女子」の違いも納得が行きました。楽しい読書でした。(明日は同じ著者の『文脈病』(青土社)を読みます。)