『西欧精神の探求』がお勧めですよ。

takuzemi2007-10-04

私のゼミ生諸君の中ではS君が「アーサー王伝説」をテーマに卒論と取り組もうとしています。私も今日の「ヨーロッパの文学」の講義ではおもに12世紀を中心とした中世の西欧世界の文化と文学を取り上げる予定です。そこで昨日から「週刊朝日百科 世界の文学56」のアーサー王やトリスタン伝説の巻を再読してメモを取っています。堀米庸三木村尚三郎編『西欧精神の探求』(NHKライブラリー)も読み直してチェックを入れておきます。ルネサンス宗教改革に先行する12世紀にヨーロッパの文化的伝統の源流となる大きな基底の誕生が認められるという立場です。上巻では特に新倉俊一さんの「騎士道−剣を振るうキリスト者」と「愛、この十二世紀の発明」の二つの章が面白くて講義にも役立ってくれそうです。ヨーロッパを理解するための基礎資料と言っても良い名著でしょう。(写真)