文豪・漱石の反故草稿にしばし立ち尽くしました。

午後は両国の江戸東京博物館まで出掛けました。特別展「文豪・夏目漱石」を見るためです。この博物館を訪れるのは数年前に「永井荷風展」を見て以来ですので久し振りです。会場に入ると連休の中日とあって大変な人込みです。展示を見るのにも列の後尾に並んで待たなければなりません。展示は漱石の原稿や手紙を中心としたものです。若いころの勉強のノートには「ずいぶんと勉強家だったんだな」と驚かされました。英作文やラテン語の語尾変化を記したノートには細かい几帳面な文字がびっしりと書き込まれていました。『虞美人草』が評判になった際にデパートから売り出された「虞美人草浴衣」の展示なども面白く見ました。圧巻だったのは未完となった遺作の『明暗』の反故草稿です。漱石の執筆に掛ける苦心の跡が何度もの推敲の様子や激昂したように飛び散るインクの模様に窺えました。・・・上野公園に移動して、GREEN SALONで一休みして芒洋としました。