近所の本屋さんの立ち読みが日曜日の楽しみです。

10月18日(木曜日)の講義「ヨーロッパの文学」ではフランスのルネサンス期の文学について語る予定です。その下調べも兼ねて堀田善衛先生の『ミシェル 城館の人』(集英社)の第1巻を読み始めました。ミシェル・ド・モンテーニュの三代前の曾祖父の時代から書き始めている堀田先生の筆は粘着力のある分析的な筆致です。時代背景に関する懇切丁寧な情報提供もあり、読み進めるうちにミシェルの生きた時代にタイムスリップするような気分になってしまいます。今日はまだ読み始めたばかりですが、名著であることは間違いありません。5Bの鉛筆でチェックを入れながら木曜日までに全3巻を読了できるように頑張りましょう。
夕方にふらりと家を出て駅の近くの本屋や文具屋を巡るのが楽しみです。今日も須原屋を覗いて<大きな活字で読みやすくなった岩波文庫のロングセラー>『赤と黒』を本当に読みやすくなったかどうか確かめます。なるほどずいぶん読みやすくなっています。(訳者は桑原武夫生島遼一です。生島先生の退官記念講義の時の赤いネクタイがなんともお洒落だったのを思い出しました。)・・・けれども学生諸君に勧めたいのは光文社古典新訳文庫版の野崎歓訳『赤と黒』の方でしょうか。文体が実に柔らかで新しいのです。(これは立ち読みしただけの印象です。)・・・今日は結局、村上春樹『走ることについて語るときに僕の語ること』(文藝春秋)を買って帰宅しました。