鳥さんの国に行ってみたいとは思いませんか?

ところで、日常生活を抜け出して、何の苦労もない鳥さんの国に行ってみたいとは思いませんか? フジモトマサルさんの『二週間の休暇』(講談社)は、毎日の退屈な日常に疲れたOLが、異界にトリップしてしまうというメルヘンを、独特の線のタッチで映像化しています。娘が「読んでごらん」と貸してくれたのですが、読了するまでの30分ほど、それこそ異界を旅してしまいました。主人公のOL・小川日菜子さんの行方不明の猫さんやら、フリーペーパーを執筆、出版している鳥さんやら、何とも不思議な感覚で書き込まれています。まんがの駒の中の「吹き出し」のセリフまで、すべて手書きだというのも念が入っていますね。このところマンガに飽きてしまい、愛読していた『美味しんぼ』にすら食傷している私にとって、林間を抜ける秋の風がほほをなでてくれるような爽やかな一冊でした。o(^0^)o(写真は『二週間の休暇』です。カバーの色調が何とも素敵です。)