今年こそは「ぎろり」としたいものです。

takuzemi2008-01-01

新年が明けてみたら一家全員が食あたりらしく、程度の差はあれ胃腸をやられている様子です。比較的元気のある女性軍はそれでも家人の実家に里帰りに出掛けました。息子と私とは残念ながら寝正月と決め込みました。時間がたっぷりとあるので、色々と本を読みながら寝転んで怠惰な正月を楽しみました。
漱石の『門』の主人公・宗助が参禅して、老師に「もっと、ぎろりとした所を持って来なければ駄目だ」(新潮文庫p.270.)と言われる場面があります。私も今年こそは「ぎろり」としたいものだと思いながら、今日の現実は「ごろり」と寝たり起きたりの怠惰な正月になってしまいました。昨日紹介した坂口曜子さんの『魔術としての文学』を半分ほど読了しました。漱石の『明暗』の再読も続けているので、あちらに行ったり、こちらに来たりの読書です。
午後は外出する気力もないので、森田芳光監督、松田優作主演のDVD『それから』を見ました。シナリオを書いた筒井ともみさんの打ち明け話を思い出しながら、「映像のレトリック」に着目して見ると何度見ても飽きることがありません。面白く見終わって、続いて寺山修司の『身毒丸』を見始めたところで、家人と娘が帰ってきました。・・・家人の実家の様子を聞きながら、一家でおせちをいただいたのですが、全員食欲が出ずに、げんなりでした。(^_^;;(写真は我が家のベランダからの初日の出です。)