Oさんのレポートを読みました。

「ヨーロッパの文学」の受講生の一人が、メールでもう一つのレポートを送ってきてくれました。紙の形ですでに提出したレポートが、自分でも納得が行かない出来だったので、再提出を認めてくれと最終回の講義の終わったあとに声を掛けてきたOさんです。なかなかの意気込みが感じられるレポートがメールに添付されていたので、プリントアウトして読んでみました。「花を題材としたヘッセの詩について」という題です。ヘッセの花を主題とした詩を3篇ほど選んで、花と人間とを二項対立として捉えて論じています。完璧な存在である花と欠落した存在である人間とを対比しながら、見事にレポートをまとめてくれました。こういう熱心な学生が一人でもいてくれると、教師はすっかり嬉しくなってしまいます。大学からの帰りには武蔵浦和の駅前の須原屋に寄り道して、ヘルマン・ヘッセの『デミアン』(新潮文庫)を買って帰宅しました。「文字が大きくなって読みやすくなりました」のキャッチフレーズが老眼の私には何とも嬉しいですね。高校生のころの愛読書の一つです。