私も今日は「講義で苦しんでいる」状態です。

takuzemi2008-04-08

夏目漱石の『行人』には主人公・一郎の神経の病的な変化を癒すために、同僚の大学教授のHさんが一郎を旅に誘い出すというプロットがあります。その旅に先立って、Hさんと打ち合わせるために弟の二郎がHさんを訪問する場面もあります。アポイントを取らずに出掛けていった二郎は「実は今あしたの講義で苦しんでいる所なんですがね。もし急用でなければ、今日は御免を蒙りたい」とHさんから面会を断られてしまいます。実は私も今日は「講義で苦しんでいる」状態です。明日、明後日の講義のハンドアウトを作成したり、講義ものではどんな風に話をすすめようかと色々と思い悩んでいるところです。おまけに大井川で吸い込んだ花粉のためか、花粉症が悪化してしまい喉の痛みとくしゃみが止まりません。多少は風邪気味もあるようです。残念ながら東京国際フォーラムで行われる入学式は欠席させてもらうことにしました。(新入生のみなさん、入学おめでとうございます。)

フランスのテレビ局のニュースではオリンピックの聖火リレーに妨害が入ったという事件を冒頭で紹介しています。午後はiPodでビデオのニュースを見たり、講義録の種に赤ペンで書き込みをしたりして過ごしました。外はときおり叩きつけるような雨の降る荒れ模様の天気でした。春の嵐というわけです。・・・明日からはいよいよ春学期の授業が開始されます。準備万端とは言いにくい状態ですが、見切り発車して、「走りながら考える」という日々がしばらく続くのでしょう。(写真はiPodで見るフランスのテレビ局です。シドニーで銅メダルを取ったテニスの選手が出てきてコメントを付けていました。)