3年ゼミ生のKさんが駆け込んできたのでした。

図書館に移動してアラゴンの『冒頭の一句または小説の誕生』(新潮社)を借りてきました。アラゴンの小説論です。実はスキャナーで読み取って講義や市民講座の資料として使ってやろうと思っています。アラゴンの小説論を漱石の小説の実態とぶつけてみたら何かが見えそうな気がしています。(うまく行くかどうかは自信がありません。(^_^;;)

4限はO君と『星の王子さま』を読みました。いやいや、その前に3年ゼミ生のKさんが駆け込んできたのでした。6月の2日から教育実習に出掛ける予定なのですが、教科書の読みが分からない部分があると不安な面持ちです。聞けば宮沢賢治の『オツベルと象』のテクストを教材として使うのだが、「白象」をどう読んだら良いのか確信が持てないと言うのですね。わたしは「しろぞう」に決まっていると言ったのですが、Kさんには確信が持てない様子です。青空文庫のテクストをみてもルビがありません。そこで一計を案じて「オツベルと象 朗読」で検索してみました。この短編を朗読しているサイトがたちまち見つかりました。聴いてみたら「しろぞう」で読んでいまいした。Kさんも納得した様子です。・・・O君と『星の王子さま』を読みました。今日もなかなか楽しいテクストの読解が楽しめました。(音声ファイルを置いているPageVoiceは素晴らしいサイトですよ。ぜひ利用してください。URLは以下です。)

http://peperoncino-s1.seesaa.net/

5限の3年のゼミではYさんとOさんが発表してくれました。いずれもマリーズ・ブリュモンの『『星の王子さま』を学ぶ人のために』(世界思想社)の1章を要約してきて解説してくれました。語りの技術から見ると『星の王子さま』はフラッシュバックのテクニックを上手に利用しています。王子が過去を語る時の語りの技術です。これは例えばマンガの『めぞん一刻』や小説では漱石の『門』の14章で宗助とお米の過去が語られる部分と参照すると面白いことが分かるはずです。(Oさんの発表はとりわけ良く読み込んだすばらしい出来でした。お疲れさま。)