読書会もゼミの発表もなかなか順調な一日でした。

takuzemi2008-06-20

金曜日です。2限はFさんと「ランボー読書会」を楽しみました。今日のブリュネルのテクストはなかなか難しくて難行苦行の連続といった感じです。とりわけ抽象度の高い言葉の内実を捉えるのに四苦八苦しました。文脈をたどりつつ判断するしかないのですが、判断の根拠が正しいのか間違っているのか自信が持てません。Fさんの苦心の下訳があって辛うじて何とかテクストを読み進めることができました。
3限の時間帯は授業が入っていません。ゼミ生の諸君からのメールをチェックして今日のゼミの配布資料のデータを印刷しておきました。・・・4限はフランス語の5です。O君と今日も『星の王子さま』を読み進めました。
5限の3年ゼミでは今日もマリーズ・ブリュモンの『星の王子さまを読む人のために』をたたき台に「物語の提示方法」についてのMさんの発表と「詩−定義の試み」についてのもう一人のMさんの2名の発表がありました。とりわけ「詩−定義の試み」は力作で、コリン・ウィルソンが言う人間の意識が「広大無辺な時空の通景を観照する」瞬間の「意識の拡大」を詩的認識の本質と関連づけた着眼には感心しました。
残りの時間で以前、NHKで放映された詩人ねじめ正一さんの番組を見ました。石垣りんさんの「くらし」、「きんかくし」、そして永瀬清子さんの「あけがたにくる人よ」を紹介するものです。いずれの詩も一つのビジョンが生成する瞬間を見事に定着しています。そしてまた奈良岡朋子さんの朗読が大変に素晴らしいものでした。永瀬清子さんがインタヴューの中で言っていた「自分は一つの井戸である。汲み続けてきたから、今でも汲める」という言葉に感動しました。