「文学」のレポートの採点に取り掛かりました。

takuzemi2008-08-03

連日、猛烈な暑さが続いています。朝は起き抜けから「文学」のレポートの採点に取り掛かりました。「夏目漱石の作品を一点読んで、その感想を書く」という課題です。学生諸君が選んだ本は、やはり『こころ』が圧倒的に多く、『夢十夜』(特にその「第一夜」)が二番手という順番です。もちろん『坊ちゃん』、『虞美人草』、『三四郎』、『それから』などなど『琴のそら音』や『変な音』と変わった目の付けどころの人もいました。なかなかバラエティーに富んでいます。けれども今日のところは余り作業ははかどりません。十数点のレポートを読んだところで昼食の時間となってしまいました。
夏目鏡子述・松岡譲筆録『漱石の思い出』(文春文庫)をやっと読了しました。妻の目から見た夏目漱石が等身大の人間として描かれていて大変に面白く読むことができました。昨日も書きましたが『坑夫』のモデルとなった青年の挿話などが興味あるものに感じました。『坑夫』を息詰まる緊迫感のある作品にしているのは、素材の力ではなく、漱石の文章そのものの力なのだとも感じました。