『「愛」なき国 介護の人材が逃げていく』を読了しました。

昨日、大宮のジュンク堂で買ってきたNHKスペシャル取材班&佐々木とく子『「愛」なき国 介護の人材が逃げていく』(阪急コミュニケーションズ)を読了しました。2000年4月の介護保護法施行で「介護の社会化」が動き始め、家から社会へと介護の主体が変わるのだという当初の掛け声でした。けれども、その掛け声が単なる幻想に過ぎなかったことを、この本は赤裸々に暴き出していきます。次々に若い介護スタッフが辞職していく介護現場の現状を生々しい取材で伝えてくれます。老々介護に疲れて寝たきりの妻を殺して首吊り自殺をした男性の例など、介護殺人、介護心中、高齢者虐待・・・暗い話題にも事欠きません。なぜ介護保険の制度のもとで、このような事件が起きるのか、関心を持って対象を知ろうとすることから始めなければならないと著者たちは問題提起しているようです。