フランス文学の書架を色々と物色して楽しみました。

午後の3限と限の時間は空き時間になっています。今日は研究室にやって来る学生諸君もいないので、図書館まで出掛けることにしました。春学期の「文学」では夏目漱石の作品を中心に新しい講義録を作って講義を進めました。そのために漱石の研究書が並んでいる書架の前に出掛けては面白そうな本を色々と物色しました。来年度の「ヨーロッパの文学」では講義録のリニューアルを目論んでいるのです。ザウルスで作る小さなメモから作業を始めようと思っています。今日はそんな思いもあってフランス文学の書架を色々と物色して楽しみました。
5限の3年生のゼミでは文芸評論家の斉藤美奈子さんの「アニメのヒロイン像」と題された評論を読みました。単純素朴に何も考えずに敵と闘っていたアニメのヒーローたちが、しだいにものを考え始め、やがては無邪気に闘うことができなくなる過程を斉藤さんは先ず指摘します。では、代わって登場したアニメの国の少女たちは、ものを考える存在なのだろうかと斉藤さんは続けます。結論は「アニメの国には、女性の権利や開放に心を砕くヒロインがまったくといっていいほどいなかった」(『ちくま評論選』p.32.)となります。なるほどと納得しましたが、アニメ好きのYさんからは「いや、違う」と反論も出されました。