ジュネ監督の『アメリー』を見ることにしました。

takuzemi2008-12-09

今日は1限と2限のフランス語の時間はオードリー・トゥトゥー主演の『アメリー』を見ることにしました。ジャン=ピエール・ジュネ監督の独特の映像感覚には何とも感心させられてしまいました。飼っていた金魚を河に放流してやるエピソードなどは映像詩の一齣とも見ることができます。アメリーがふとした偶然から発見した「40年前の子供の宝箱」の持ち主ドミニック・ブルトドーの言葉にはどきりとさせられました。「昔は時間が永遠にあったのに、気がつけば50歳」と言うのです。
この映画には階段を速足で駆け上がるショットが多用されています。カメラはアメリーの足の動きをローアングルから追いかけながら映し出します。母の死がノートルダム寺院から身投げした自殺志願者の落下のとばっちりという設定と、モンマルトルの高所へと駆け上がるアメリーの生への意志とは対をなしているのかも知れません。断片的な小さな物語をジグソーパズルのように組み合わせていく手法にも面白さを感じました。言わばパッチワークで出来上がっているようなストーリーなのですね。自分の部屋に閉じこもってルノワールを模写する「ガラス男」、片腕の八百屋の店員リュシアン、謎の青年ニモたちが織り成す物語がモンマルトルのカフェのエピソードに組み込まれていきます。ラストシーンは金曜日に見ましょう。