『サヨナラ、学校化社会』を読み進めました。

上野千鶴子さんの『サヨナラ、学校化社会』(ちくま文庫)を読み進めました。東大生も偏差値が高いだけの普通の若者たちだと上野さんは言います。ただ、この社会に棲む人間たちはみな学校という制度の中で外部からの(偏差値という)評価によって自分の価値付けをなされることに慣れてしまい、「私はこうだ」と自らを位置付けることができなくなっているのだと上野さんは指摘します。要するに優等生も劣等生も幸せになれないシステムが学校化社会なのですね。そこから脱出するためにはジャック・プレヴェールの描き出す「劣等生」のように自らが価値を生み出すことのできる存在にならなければならないのです。
上野さんが以前教えていた京都精華大学での教育実践の記録も大変に興味深く読みました。「社会調査法」の授業で川喜田二郎氏創案の「KJ法」を利用して、学生諸君にフィールドワークを実施させるくだりです。今まで自発的に「自分の思考」を生み出すという体験をしたことのなかった学生たちが「知を生産する」プロセスに目覚めていく過程がなんとも興味津々でした。・・・さてさて、午後は学科の会議と教授会とが続きました。議題も満載でした。ともあれ今日で年内の重要な会議はすべて片付いたわけです。