ロンドンの地下鉄でプレヴェールの詩を見つけました。

ロンドンの地下鉄は相当に狭い乗り物です。座席に座っている人の靴を踏まずに狭い通路を移動するのにも相当の慣れが必要な感じです。地下鉄を利用する市民たちは「無関心の作法」とでも呼ぶべき態度を身に付けているようにも思われました。隣にどんな人がいても決してじろじろと露骨な視線を投げかけたりせず、平然とした態度を貫くというものですね。そんな彼らも実は都市での生活に大変なストレスを溜め込んでいるのでしょう。大雪の影響で交通機関が乱れた時には、むしろ喜んで仕事を休んでしまうのだそうです。
そんな地下鉄利用者のストレスを軽減しようというのでしょうか。車内広告にも面白いものがありました。私がフランス語の初級クラスで教材として良く使うジャック・プレヴェールの「アリカンテ」が何と仏文と英訳の併置した形で広告になっています。「Poems on the Underground」です。二回繰り返される「present」を上手に訳し分けると面白い訳が作れますよ。
Alicante
An orange on the table / Your dress on the rug / And you in my bed / Sweet present of the present / Cool of night / Warmth of my life.(Jaques Prevert)(写真はドーバーを越えるフェリーで買ったフランス語の初級読本です。)