『明暗 ある終章』(論創社)を読了しました。

新越谷のVARIEで昼食を済ませてから早めに帰宅しました。午後は休日を楽しんでいた息子と二人で'09 WORLD BASEBALL CLASSIC「日本対キューバ戦」を見てしまいました。
粂川光樹著『明暗 ある終章』(論創社)を読了しました。著者が20年もの長い時間を掛けてあたためてきた構想とのことで、津田由雄と延子とのあり得たかも知れない終章をさまざまに想像して楽しんでいます。著者自身の手になる名取春仙風の挿絵もなかなか見事なもので感心しました。漱石の未完の作品『明暗』の結末をあれこれと思い描いて楽しむための一つの手掛かりになってくれる本ですね。
ある小説の中のある人物に感情移入しながら「もし彼(女)が私だったら」という仮定を想定しつつ読み進めることは小説の楽しみの原点かも知れません。とりわけ漱石の小説は主人公の「それから」がどうなるのかを読者の空想にゆだねるものが多いのですね。三四郎や代助や宗助がどうなっていくのかを想像するのが小説の醍醐味の一つになっているようです。