出口保夫著『ロンドン 漱石文学散歩』を読みました。

takuzemi2009-03-25

3月も末だと言うのに何とも冷え込んでいます。革のジャンパーを引っ張り出して暖かな格好で大学へと移動しました。元荒川沿いの桜並木の桜の蕾も花曇りに出鼻をくじかれた感じです。降り始めた雨の下で固くなっています。
準備室で数人の学生諸君の電話や住所を確認しました。呼び出しの必要がある諸君です。春休みの間は学生諸君を捕まえるのが難しくて難儀します。
学生食堂に移動して主食(ご飯)抜きの定食を頂きました。今日は味付けが甘くて閉口しました。図書館に移動して開館か閉館か確認しました。残念ながら4月まで年度末の図書の整理で閉館となっているようです。
研究室に戻って出口保夫著『ロンドン 漱石文学散歩』(旺文社)を読みました。旅行会社「みゅう」で貰ったロンドンの地図を参照しながら出てくる地名を確認します。ロンドン滞在中はなかなか漱石の下宿探しまでは手が回らなかったのですが、出口さんの本を読んでみると私が歩き回った場所もたくさん出てくるので懐かしくなりました。テート・ブリテンやらヴィクトリア駅やら再訪してみたくなります。出口さんは「あとがき」で物理的空間としてのロンドンは同時に時間的・歴史的な場でもあると記しています。漱石個人に取ってロンドンは「ロマンティックと同義語の情感と、想像力にあふれた場でもあった」(p.236.)と言うのですね。