桜の花に色々と思うこともあります。

お花見で人々の集まるスポットにわざわざ集まってくる日本人の習性を笑う人がいます。けれども人込みに集まるのは日本人だけではないようです。ロンドン滞在中には「Herf Term」の休暇中で、自然史博物館などの博物館や美術館はどこも親子連れで信じられないほどの混雑だったのを思い出したからです。(それから、バレンタインの日にもカップルで出歩く人たちが多かったように記憶しています。)
昨年はフランスからの留学生ジェローム君、グレゴリー君と文教の卒業生Tさんの3人を連れて上野から谷中へと抜けたものでした。谷中の墓地でお酒も入って盛り上がっている花見客を目撃してフランス人のお二人は驚愕していたようです。カルチャーショックですね。フランスでなら「墓地で酒盛り」はとてもあり得ない光景でしょう。けれども、これはフランスに文明があり、日本に野蛮があるというようなことではありません。それこそ相対的なありのままの事実なのです。
さてさて、桜には辛い思い出もあります。・・・桜の花が満開のころ母が病で倒れました。もう十数年も前のことです。心臓の発作で倒れた母に何一つなす術もなく無力な息子でした。救急車に同乗して大学病院へと急ぐ道の半ばにも桜の花びらが舞っていたのを思い出します。