先生のお宅を訪問する日になりました。

takuzemi2009-04-29

先生のお宅を訪問する日になりました。11時には家を出て浅草に向かいました。11時50分には駒形の先生のお宅に到着しました。久し振りにお会いする先生はお変わりなく元気そうです。・・・先生のお宅は隅田川が見下ろせるマンションの最上階の見晴らしの良いお部屋です。明るい窓がうらやましくなります。先生に座布団を勧めていただき、あぐらをかいて楽にさせてもらいました。
お忙しい中を押しかけてきたと言うのに、何と先生の手作りのカルパッチョやパエリヤをご馳走になってしまいました。赤ワインまでいただいてしまいました。美味しい料理とワインをいただきながら、先生の出版なさった本の話から、新作の構想の話まで面白くお話を聞く機会に恵まれました。
長らくアメリカの大学で日本文学を教えてきた先生は、欧米の言語と日本語との間に互換性がないことを主張しています。両者の違いを正しく認識することが先ずは必要だと言うのです。抽象度の高い客観性を生み出すことの出来る西欧の言語があるからこそ、「客観小説」や「作者の死」が議論の対象となるのだと言うのです。ところが、日本語は常に語り手の声の存在を消し去ることが出来ない性質を持っているというのが先生の考えです。漱石の作品群もどこを切り取っても漱石の声が聞こえてくると言うのですね。・・・そんなお話を聞きながら、すっかり楽しい時間を過ごしてしまいました。