午後は「文学」の講義を頑張りました。

午後の1時からの「文学」の講義では第1回から第3回までの授業で語り足りなかった部分を補足しました。とりわけ、人生を肯定的に捉えようとする「明るい漱石」の一面を漱石作品から読み取れるという話をしました。それから、NHKで放映された姜尚中さんのビデオを25分ほど見ました。漱石の『三四郎』についての解説なのですが、都会に生きる近代人の「根」のない生存の危うさを強調しています。ビデオを見てからハイデッガーの「不気味さ」というキーワードで『こころ』の「先生」の生を描いた若林幹夫氏の視点なども紹介しました。最後にハンドアウトに沿って千草キムラ=スティーブンさんの『三四郎』の読解を学ぼうとしたのですが時間が少々足りませんでした。
放課後の研究室ではアイデアノートを開いてブレーンストーミングを少々試みました。漱石の作品の中の「段差のある会話」を分析してみたら面白かろうと思っています。三四郎と美禰子の会話、坊っちゃんと生徒たちとの会話・・・などと色々と考えてみました。
4年ゼミ生のWさんが研究室にやって来ました。しばらくお喋りをしました。卒論のテーマの提出が迫っているので色々と心配している様子です。気楽に好きなことをやってごらんとアドバイスしておきました。