楽しく『門』を読了しました。

午後も怠惰な時間を過ごしました。数冊の本をつまみ食いしながら並行して読んでいます。夏目漱石の『門』だけは数回目の読み直しなので色違いの水性ペンで書き込みをしながら読み進めました。熊倉千之先生は『漱石の変身』(筑摩書房)の中で「御米」をある抽象的な存在を象徴するものと解釈して『門』のまったく新しい読解を提出しています。(謎解きを明かしてしまう訳には行きません。関心のある人はぜひ手に取って読んでみてくださいね。)なるほど御米という登場人物が具体的な描写をまったく行われていないことに驚きました。熊倉先生の本の中で指摘されているキーワード群を確認しながら楽しく『門』を読了しました。
夕方になると散歩を兼ねて本屋さんを覗きに行くのが習慣になっています。買いたい本があっても、マンションの狭さを思い出すと我慢してしまうことが多い私です。・・・狭山に暮らしていた頃には、古びた木造の家屋でしたが、書斎が確保できていました。現在のマンションに引っ越した時に、大量の本を処分したのですが、いまだに頭の一部分をざっくりと切り取られたような気分がしています。・・・須原屋書店さんでは数点の本の存在を確認して、ただし、買わずに帰路に着きました。数日経っても欲しいようなら再度訪問して入手すれば良い訳ですね。